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ボブ・マーリィとの仮想デュエット作

ボブ・マーリィとの仮想デュエット作_a0052854_1293285.jpg夏のイベントとして日本でも定着してきた感のあるレゲエ。しかし、ルーツであり基本中の基本であるボブ・マーリィの名曲、名演をしっかり聴いている人は、特に若い世代では意外と少ないのではないでしょうか。一方ではレゲエ・ミュージックに対して間違ったイメージや偏ったイメージを持っている方も多いような気がします。レゲエは元々ジャマイカに存在した土着のサウンドにアメリカから伝わってきたジャズやブルース、ファンクやロックが結びついたミクスチャー音楽です。そうして新しく生まれたジャマイカ特有のサウンドを世界的に広めた第一人者がもちろんボブ・マーリィなのですが、彼の多くのサウンドはブルージィでグルーヴィな楽曲が多く、ファンクやジャズ等のブラックミュージック愛好者にはジャンルの垣根を越えて彼のファンが多いですね。音楽史を語る上で避けては通れないミュージシャンであることは間違いないです。最近ではレゲエと言っても様々なスタイルや個性的なミュージシャンが存在していますが、結局ルーツはボブ・マーリィのレゲエが根幹にあると思います。今回のアルバムはそのマーリィのオリジナルトラックにプログラミングをミックスし、多くのR&Bやヒップホップ、ロックのアーティストが仮想のデュエットをしているトリビュート作です。有名なアーティストではR&Bからエリカ・バドゥやローリン・ヒル、ヒップホップではザ・ルーツやチャックD、ロックからはエアロスミスのスティーブン・タイラーとジョー・ペリーが参加し、ルーツレゲエを独特なアレンジで新しく聴かせてくれています。このアルバムを聴けばマーリィのレゲエサウンドがR&Bやヒップホップ、またはロックなどに与えた影響がいかに大きったかということの少しでも分かっていただけるのではないかと思います。

ボブ・マーリィ 「CHANT DOWN BABYLON」 ’99年発表
by beatnikshop | 2006-08-16 12:26 | MUSIC